「御仏様、いただきます」食育への取り組み|今市幼稚園

Q. 野菜嫌いの子どもに、どうすれば野菜を食べさせられるでしょうか?
A. まずは、お子様が好きな食材と組み合わせたり、食べやすい形にカットしたりするなど、工夫してみましょう。また、一緒に料理をする体験もおすすめです。子どもが料理過程に関わることで、食材への興味関心が高まり、食べる意欲がわくことがあります。

忙しい毎日の中で、子どもにバランスの取れた食事を準備するのは大変ですよね。今市幼稚園では、食を通じて子どもたちの心と体を健やかに育むことを目指し、様々な食育活動に取り組んでいます。食は生きる上で最も基本的なものであると同時に、五感を使って学ぶ貴重な機会でもあります。今市幼稚園では認定子ども園化にあたって、これから自園での調理が始まります。食育に関わるさまざまな取り組みを行えるようになります。今までの取り組みを活かしつつ、新たなステージで子どもたちに充実した食育を提供できるよう努めて参ります。

芋掘り体験や餅つきワークショップ
秋には園の畑でさつまいもの収穫を行います。子どもたちは自分で植えて、収穫したさつまいもを味わい、土に触れることで五感を刺激し、自然の恵みに感謝の気持ちを持つことを学びます。 また、餅つきの体験をするにあたって、もち米を炊く前の物、炊いた後、ついた後と加工していく段階を見せ、食に対する知恵や本物の香りを体験することで、食の根源に触れ、食に対する興味関心を深めます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

保護者の方へ
食育活動を通して、お子様には食の大切さだけでなく、自然への感謝の気持ちや、人とのつながりを大切にする心を育んでほしいと考えています。ご家庭でも、食事の時間を大切にし、お子様と一緒に食について語り合う機会を設けていただけると幸いです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

仏教から教わる食の大切さ
仏教の基本的な教えである「感謝」と「因果」の教えが自然に反映されています。食べ物に対する感謝の心を育むことは、仏教の実践において非常に重要です。私たちが口にする食べ物は、自然界からの恵みであり、多くの人々の労働や努力の結果であることを理解し、その命をいただくことに感謝する心を持つことが大切です。 お子様が野菜を嫌うことも、執着や好みといった心の働きによるものであると考えられますが、これを克服するために親が工夫を凝らすことは、子どもたちに対して忍耐と慈悲の心をもって接する大切な実践です。また、一緒に料理をする体験を通じて、親子の絆が深まり、感謝の心が育まれるでしょう。 また、園内での食材の循環や自然への感謝を学ぶ活動は、仏教の「因果応報」の教えを実体験する機会となります。すべての行動が結果を生むという因果の法則を、子どもたちは自然の営みを通じて学ぶことができます。これは、将来的に他者や自然との調和を保つ生き方につながるでしょう。 食育活動を通して、五感を使い、命の尊さを体感しながら自然や人とのつながりを学ぶことは、仏教的な価値観を日常生活に取り入れる一つの方法です。保護者の方々も、日々の食事を通じて、子どもたちと共に仏教的な感謝の心を育む機会とされることを願っています。 このように、日々の食育活動が仏教の教えと深く結びついていることを認識し、その意義をより深く感じ取っていただければ幸いです。